コラム

電話応対研修の目的とは?目的別のカリキュラム例をご紹介!

電話応対は「企業の第一印象」を決定づけるものです。電話応対の品質を底上げすべく研修を導入する企業は多いですが、そもそも「何を目的に」「どんな研修を」行えば成果に繋がるかわからない、という声も少なくありません。本コラムでは、電話応対研修を導入・強化する際に押さえておくべき目的やカリキュラム、効果的な運用ポイントを、体系的にご紹介します。

電話応対研修を実施する5つの目的

電話応対研修を実施する5つの目的

1. コミュニケーション能力の向上

電話は「声」だけで情報や感情を伝える媒体です。話すスピード、語尾の上げ下げ、間の取り方などが相手の印象に大きく影響します。電話応対研修では、このような基本的なスキルを学んだ上で、「相手の話を受け止め、的確に返す」対話力を磨くことが重要です。

2. 企業ブランド/組織イメージの向上

電話応対は、その内容によって企業のイメージを高めることにも、損なうことにも繋がります。特に、正しい敬語や言葉遣い、マナーが出来ているかどうかは「企業としての教育体制が整っているか」「プロ意識が浸透しているか」のバロメーターにもなります。

3. 顧客満足度(CS)向上とリピーター増

電話応対がスムーズで、問い合わせやクレームに的確に対応できる担当者は、顧客からの信頼を獲得しやすくなります。担当者への信頼は、企業そのものへの信頼でもあり、顧客満足度の向上に繋がります。「この人から買いたい」と思わせることができれば、リピーターの増加も期待できるでしょう。

4. 売上・LTV最大化(営業部門の提案力強化)

電話応対は、売上アップに繋げるチャンスでもあります。顧客の課題を聞き出し、ニーズに合った提案をしていきましょう。特に営業部門では、アップセルやクロスセルを促すためのトーク技術や、クロージングの言葉選びなど、提案スキルを上げるための研修が必要です。

5. 従業員ストレス軽減と離職防止(カスハラ対策含む)

クレームやカスタマーハラスメント(カスハラ)に日々さらされる現場では、従業員のストレスが大きくなります。ストレスが溜まると、業務上のパフォーマンスが低下するだけでなく、心身に悪影響を及ぼし、最終的に離職となる可能性も。そのような事態を防ぐためにも、従業員一人ひとりがストレスを上手に解消する方法を身につけることが大切です。

電話応対研修の対象者と到達ゴールの設定方法

電話応対研修の対象者と到達ゴールの設定方法

研修は全員一律の内容で実施するのではなく、職種や役割に応じたゴールを設定しましょう。ここでは、職種別の研修目的とカリキュラム例を紹介します。

■ 新入社員

• 目的:電話の基本マナーを習得し、自信を持って受電・架電ができるようにする。
• カリキュラム例:
◦ 電話応対の心構え
◦ 名乗り・取次ぎ・復唱の基本フロー
◦ 正しい敬語やクッション言葉の使い方

■ 営業職

• 目的:電話によるヒアリング・提案・クロージングのスキルを向上させ、成約率を上げる。
• カリキュラム例:
◦ 顧客心理を読む質問設計
◦ トークスクリプトの作成と練習
◦ アップセル・クロスセルの言い回し

■ 事務・総務・受付担当

• 目的:正確かつ迅速な電話対応で、社内外の関係者に好印象を与える。
• カリキュラム例:
◦ 正確な取次ぎの方法
◦ 情報伝達ミスを防ぐメモ術
◦ 社内各部署との連携フローの理解

■ CS/コールセンター

• 目的:一次対応での解決率と、顧客満足度を向上させる
• カリキュラム例:
◦ FAQとマニュアルの活用法
◦ ロールプレイによる実践練習
◦ クレーム対応のためのフレーズ習得

■ SV/管理職

• 目的:現場の応対品質を可視化・改善し、部下の育成に活かす。
• カリキュラム例:
◦ 品質モニタリングについて
◦ フィードバックの仕方と面談技法
◦ KPI活用と育成プラン設計

目的別カリキュラム例と設計のコツ

目的別カリキュラム例と設計のコツ

どのようなカリキュラムを実施するか決まったら、次は設計に入ります。代表的なカリキュラムと設計のコツについてお伝えします。

● 基礎編:電話応対の心構えとビジネスマナー

• 初心者向けの基本研修。
• 声のトーンやボリュームなどの話し方の基礎、正しい敬語や言葉遣いは必須。
• 電話中の姿勢や表情など、非言語情報も学ぶ。

● 応用編:トークスクリプト作成とロールプレイ

• 営業職やカスタマー対応においては、スクリプトの整備が必須。
• シナリオ別のケーススタディに基づく練習で実践力を身につける。

● カスハラ・クレーム対応訓練編

• カスハラやクレームへの基本的な対応を学ぶ。
• 実例に基づいたロールプレイングを行い、現場で実践できるようにする。

● 営業強化:アップセル・クロスセル手法

• 顧客のニーズを引き出すヒアリングスキルを身につける。
• 実践で使えるセールストークの型を習得する。

電話応対研修を成功させる4つのポイント

電話応対研修を成功させる4つのポイント

1. 目的とKPIを明確にし、全員に共有する

研修の冒頭で、受講者が「なぜこの研修を受けるのか」「どのようなスキルを身につけて、何を成果として求められるのか」を明確に認識することが重要です。たとえば「コールセンターの一次対応率を85%に引き上げる」「顧客満足度を平均4.5以上に維持する」といった具体的な数値目標を設定することで、研修効果を測定しやすくなります。

また、受講者自身が「自分の成長が会社の成果にどう結びつくのか」を理解できるよう、業務との関連を具体的に説明することもポイントです。

2. 実務に即したシナリオでのオーダーメイド設計

電話応対研修では、実際の業務に即したトレーニングが欠かせません。企業ごとの商品・サービス特性、顧客層、問い合わせの傾向に合わせて、具体的なシナリオを作成し、それをもとにロールプレイを実施することが効果的です。

例として、以下のようなシーンが挙げられます。
• サービスの不具合に対する対応
• 営業電話における断られた後の切り返し
• カスハラを含む理不尽な要求への冷静な対応

現場で実際に起こりうる「あるあるケース」をベースに設計することで、受講者は自分ごととして学びを吸収しやすくなります。

3. 研修後のフォローアップとマニュアル整備

研修で学んだことは、時間が経つと忘れてしまいがち。継続的なフォローアップを行って、スキルを定着させましょう。たとえば、定期的なロールプレイ実施や、先輩社員とのフィードバック面談などが効果的です。

あわせて、研修内容を踏まえたマニュアルやFAQの整備も重要です。スクリプトの文言や、対応フローを可視化・共有することで、対応品質の標準化が実現できます。

4. 外部講師や認定機関の活用による質の担保

自社内だけで研修を企画・実施することが難しい場合は、外部の専門家や第三者機関の力を借りましょう。たとえば、HDI(Help Desk Institute)などの国際認証に基づいたカリキュラムを導入すれば、グローバル基準に沿った対応力を養うことができます。

また、実際に現場経験のある講師が登壇する研修は、受講者の納得感が高く、学びへの姿勢も前向きになります。外部講師を選定する際は、業界理解の深さ、研修後のフォロー体制、カスタマイズ対応の有無などもチェックポイントです。

まとめ

電話応対研修は、単なる「マナー教育」ではありません。研修の設計・実施を通じて、企業全体のブランド価値向上、顧客満足度の改善、売上アップ、従業員の離職防止といった、幅広い経営課題の解決に繋がります。

アナウンサーが講師を務める研修会社KEE’Sでは、接客業や金融業、製薬業など、幅広い業種の企業を対象に電話応対研修を行っています。KEE’Sの研修は、半分以上がロールプレイングの時間。一定の効果、変化を感じていただけるまで、個々の受講生に合わせた指導を心がけています。貴社に合わせたカリキュラムをご提案いたしますので、まずは一度お問い合わせください。


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