話し方で印象が変わる!ビジネスにおける話し方のマナーをご紹介
ビジネスの世界には様々なマナーがありますが、「話し方」にもマナーがあることをご存じですか?マナーを守った話し方をすることで、初対面の方からの印象が良くなったり、円滑なコミュニケーションに繋がったりもします。今回は、意外と知らない話し方のマナーをご紹介します。
ビジネスにおける話し方が重要な理由
時に「内容よりも話し方の方が大事」などともいわれますが、なぜビジネスシーンで話し方が大切なのでしょうか。それにはいくつかの理由があります。
まず一つ目は、その人の第一印象を形成する大きな要素になるからです。人は会話を通じて相手の性格や知識を感じ取り、信頼などの感情を築きます。例えば落ち着いた話し方は聞き手に安心感を与え、自信と誠実さを感じさせます。逆に早口や言葉遣いが悪いと、不安定や無礼といったネガティブな印象を持たれることがあります。そのため相手との信頼関係構築には適切な話し方が必要です。先に作った印象を後から変えるのは容易ではありません。だからこそ、ビジネスシーンにふさわしい話し方を身につけることが重要なのです。
次に、適切な話し方はコミュニケーションを効率化します。的確で簡潔な表現は誤解を減らし、相手に意図を正確に伝えることができるので、不要な会話のやり取りを少なくすることができます。また、適切なトーンで話すことや、身振り手振りといった非言語コミュニケーションを加えることで感情を伝えることができます。また、聞き手の興味・関心や理解度に合わせた話し方は、情報を受け取りやすくします。このように、適切な話し方は効率的なコミュニケーションを実現するのです。
最後は、話し方によって説得力を向上させ、仕事の成果を上げることができるからです。正確で簡潔な言葉遣いは、聞き手が理解しやすく、重要なポイントを際立たせることができます。さらに適切なトーンや強調、ジェスチャーや表情によって信頼感や情熱を伝え、聞く側の注意を引き、感情に訴えかけることができます。これにより、淡々と伝えるよりも印象的に伝えることができ、説得力が増すのです。
このように話し方が仕事の成果に大きな影響を与えているため、話し方が重要視されているのです。
ビジネスにおける話し方のマナー5選
ビジネスにおいて「好感をもたれる」というのは、非常に重要なポイントです。まずは、好感をもたれる話し方のマナーを5つお伝えしましょう。
1.目線を合わせる
相手の目を見ながら話をすることは、基本中の基本。「どうしても目線を合わせることが苦手…」という人は、眉間やおでこのあたりなどを見ればOKです。また、相手の目を強く見続けると、高圧的に感じられる可能性もあります。基本的には、穏やかな目線を心がけてください。その上で、重要なポイントはしっかり目を合わせるなど、メリハリをつけられると良いでしょう。
2.相槌や表情で理解を示す
せっかく相手が話してくれていても、反応を示さないと「本当に伝わっているのかな?」と不安にさせてしまいます。相づちや表情の変化を取り入れることで「話を聞いていますよ」「理解していますよ」という気持ちを示しましょう。「はいはいはい」「なるほど、なるほど」など、細かい相槌を繰り返す人もいますが、適当に聞いていると捉えられてしまうので注意が必要です。また、表情は相手の心情に寄り添うようにしましょう。相手が楽しい話をしているなら笑顔、悲しい話をしているなら深刻な表情をすることで、安心して話してもらうことができるでしょう。
3.復唱、要約を心がける
相手の話した言葉を復唱(リフレイン)することで、「この人はわかってくれているんだ」と思わせることができます。長い文章の場合は「こういうことですよね」と要約して伝えると良いでしょう。このプロセスを経ることで、認識の齟齬をなくすことにも繋がります。
4.抑揚や間を取り入れる
一方的に説明やプレゼンをすると、メリハリのない淡々とした話し方になってしまいがち。
淡々とした話し方では、何が重要なのか相手に伝わらず、ストレスになってしまうことも。重要な部分を少し高く話したり、キーワードの前後に一拍間を取ったりするなどして、メリハリのある話し方を目指しましょう。
5.敬語を正しく使う
正しい尊敬語・謙譲語を使うことで、相手からの信頼を獲得しやすくなります。次の章では、間違いやすい敬語をまとめましたので、この機会に改めて確認してみてください。
要確認!間違いやすい敬語まとめ
× 「了解しました」→ 〇 「承知しました」
毎日のように使うこのフレーズですが、「了解」はカジュアルな表現です。ビジネスにおいては「承知しました」という習慣をつけましょう。
× 「ご苦労様です」→ 〇 「お疲れ様です」
「ご苦労様」は、目上の方が目下の者を労うときに使う言葉です。上司や先輩に使うのは「お疲れ様」が適切だといえるでしょう。
× 「すみません」→ 〇 「申し訳ございません」
ビジネスシーンで謝罪をするときは、必ず「申し訳ありません」「申し訳ございません」を使いましょう。「すみません」や「ごめんなさい」では軽いと思われてしまうため、注意が必要です。
× 「わが社」→ 〇 「当社」「弊社」
「わが社」は対等な立場にある相手に対して使う言葉です。相手を立てたい時は「当社」または「弊社」を使うと良いでしょう。
× 「すみませんが…」→ 〇 「恐れ入りますが…」
「すみませんが…」は、クッション言葉として使いがち。相手の状況を慮る姿勢は評価できますが、「恐れ入りますが…」「恐縮ですが…」という表現の方が丁寧でしょう。
× 現在進行形なのに「よろしかったでしょうか」
「よろしかった」は「よろしい」の過去形です。このため、現在進行形の出来事を確認したいのなら「よろしいでしょうか」という表現が適切でしょう。ただ、過去の出来事を確認した場合は「よろしかったでしょうか」でも間違いではありません。
× 「~させていただきます」の多用
最近よく見られるのが「させていただきます」の多用です。一見、丁寧な表現ではありますが、「させていただきます」は本来、相手の許可を受けての行動において使われます。たとえば「予定を変更していいか?」という許可を得た上で「変更させていただきます」というのは正しい表現です。相手の許可が必要ない場合は「いたします」を使えば、丁寧な表現になることを覚えておいてください。
わかりやすく伝える話し方のマナー
ここまでは、ビジネスにおける話し方のマナーの基本をお伝えしました。基本のマナーを踏まえた上で、さらに伝わるようにするには「論理的に考えて話すこと」が必要です。
論理的に話すことができれば、短時間で必要なことが伝わるため、お互いの時間を無駄にすることがありません。また、納得感が高まったり、円滑なコミュニケーションを進めることができたりするでしょう。
では、論理的な話し方のポイントとは、具体的にどのようなものでしょうか。
ポイント1.結論を決めて話す
最も重要なのは、結論を決めて話すこと。「結論」というと難しく感じる人もいますが、「この話でいちばん伝えたいことは何か」を考えることです。たとえば、自分のミスを上司に報告する場合。「お客様に謝りに行くので、上司に同行してほしい」というときと、「同じミスをしないように対策を考えたので、聞いてほしい」というときでは「結論」は変わります。
なお、会議などで自由にアイディアや意見を出してほしい場合は、あえて結論を決めずに話し出す場合もあります。臨機応変に対応できると良いですね。
ポイント2.理由を説明する
結論に対する理由が明確でないと、相手を納得させることはできません。理由を説明するときは「自分の考えや想い=主観」と「データや数字=客観」の両方を取り入れることを意識しましょう。
また、理由を述べる前には、理由の「数」を伝えられると良いでしょう。「理由は3つあります」と予告することで、相手は考えを整理しやすくなります。なお、理由は多すぎても理解してもらえないので、3つ以内に絞ることをおすすめします。
ポイント3.詳細を伝える
結論と理由だけを説明しても、納得してもらえないことがあります。理由が抽象的だったり、結論と理由の間に因果関係がなかったりする場合です。相手に納得してもらうために必要な情報を漏れなく伝えましょう。
論理的に話すには、この3つのポイントを意識することが重要です。その際のコツとして、下図のようなロジックボックスがあると、思考を整理しやすいでしょう。結論→理由→詳細の順番に話すと、伝わりやすくなります。これはロジックツリーと言い、論理的に考える方法として代表的なフレームワークです。論理的な話し方ができるようになるには、実践を繰り返すことがいちばんの近道です。最初は頭で考える時間ができてしまい、上手に話せないかもしれませんが、話し方は技術なので、たくさん経験を積めば誰でも会話をしながら論理的な話を組み立てることも可能になります。プレゼンなどの改まった場だけでなく、ちょっとした面談や会議で実践しながらトレーニングしてみてください。
まとめ
「ビジネスマナー」は研修などで学んだことがあっても、「話し方のマナー」を学ぶ機会はなかった…という方は多いはず。だからこそ、他の人と差をつけることができるチャンスです。KEE’Sでは、話し方のプロであるアナウンサーが教える研修を多数ご用意しております。ビジネスマナー研修もあわせて承っているので、新人研修を検討されている企業様にもオススメです。御社の課題をヒアリングした上でご提案しますので、まずは一度ご相談ください。
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