オンライン商談の進め方~スムーズに進行し成果につなげる方法とは~
オンライン商談のお困りごととして、対面よりスムーズに進行できない、まとまらないまま時間切れになる、積極的な意見が出ない、メンバーの反応がわかりづらく不安を残したまま終わってしまう、といったお悩みの声が聞かれます。特に取引先とのオンライン商談では時間内に必ず一定の成果をあげなければならず、会をスムーズに進行し、成果に着地させることが求められます。今回は有意義なオンライン商談のための、進め方のポイントをお伝えします。
1.オンライン商談には欠かせない「ファシリテーションスキル」
対面と違って相手の反応がわかりづらいオンライン。決まった人だけが一方的に発言するというのはあまり好ましくありません。課題を整理しながら参加者の意見を引き出し、全ての参加者と共に解決策を見出すことが求められます。
そこで必要なものが、ファシリテーションスキル。まずは冒頭で、メンバー紹介を行います。今さら自己紹介?と思われるでしょうか。実は海外であれば、進行役となる人が最初に参加メンバーを紹介してから本題にうつるというのはよく見られる光景です。オンラインではどんなメンバーがいるか把握しづらいことがあります。中にはカメラオフの参加者もいるでしょう。メンバー紹介をすることでその後の進行がスムーズになります。
参加者たちの意見を促すための方法としては、他の人にも発言者が誰かわかるように名前で呼びかけ、万遍なく発言の機会や質問をふる、オンライン上のチャット機能や投票機能を使って意見を集計する、などの方法があります。
また言葉にならない「雰囲気」をつかむことも重要。参加者の意見の中に納得していない表情や表現があれば、それらを書きとめておくのもいいですね。
言葉や最終的な結論だけではなく、その「過程」を考慮することもファシリテーターの役目。ファシリテーターは単なる進行役や強引に会をまとめる役割ではなく、参加者全員が納得する結果や最大の成果を引き出すことこそが使命だからです。
さて、実際の話し合いにうつる前には、この場の目的や議題を言葉にして伝えることも大切です。「今日のゴールは何か」「求められる役割は何か」がわからないまま参加しているメンバーがいることは、参加者の意欲喚起につながりませんし、貴重な時間を無駄にすることにもなります。また、参加メンバーがバラバラの方向に進み出してしまい、結論にたどり着かないまま終わる、脱線し関係のない話題に流れていくという危険も。目的地まで最短で正確にたどり着くためには、そのための地図が必要と言えます。次に、その「地図」についてご説明します。
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2.会議の流れを共有する地図「OARR」を活用する
オンライン会議や商談の「地図」となるのが、OARR(オール)です。OARRとは会議の方向性を明確に定義・共有するためのフレームワーク。フレームを構成する、Outcome(成果・ゴール)、Agenda(議題、スケジュール)、Role(役割)、Rule(約束)の頭文字をとり、全員がオールを使って航海するイメージから「OARR」と呼ばれています。
まずはOutcome、つまりその会議や商談が目指す成果やゴールを言語化して相手と共有します。会議や商談の最終的なゴールを全員に伝えることで、参加者全員がスタート時にその場の目的を共有することができます。
次に、そのために議論すべき課題、つまりAgendaの伝達です。今日の場で話し合っておく議題がそれにあたります。この議題に何分、全ての議論の時間は何分という風に、大まかなスケジュールも合わせて伝えておけば、参加者は会議の進行のイメージをつかみやすくなります。
次がRole、つまり会議や商談において、それぞれの参加者に期待する役割です。役割は、主催者側と参加者側の双方にあり、それを全て言語化して共有します。
例えば「予算の判断については〇〇部のAさんとBさん」「プロモーションについてはEさんからの提案」といった具合です。対面の会議であれば、目くばせやジェスチャーでなんとなく「あれやっといてね」ということを伝えたり、流れや雰囲気で誰が引っ張るかがわかるかもしれません。
しかしそのような暗黙の了解や以心伝心が通用しないのがオンライン。対面のように、なんとなく誰かがやってくれるのではと役割分担を曖昧にしていると、結局誰もやらなかったということになりかねません。会議の冒頭で、それぞれが果たす役割を言語化してシェアしておけば、自分はこの会議で何を考えるべきなのか、どういう発言をするべきなのかというように、参加者それぞれがプランを持つこともできます。そのため議論が効率よく進みます。互いの役割がわかっていることで探り合う必要もなく、スムーズな連携も可能になるという点もメリットです。
相手が取引先の場合、お願いしたい役割を伝えることを躊躇したり、相手がこちらの意図を読み取ってくれるのを待つ、ということも往々にしておこります。けれども、オンライン商談の時間は限られています。対面よりもロジカルなコミュニケーションを意識してもそれほどの違和感はなく、むしろ会議の進行を促進します。
最後のRoleとは文字通り、その会議や商談の約束事です。例えば「予算内の提案しかしない」「ひとりの発言は2分以内」といったルールを決めて、先方にあらかじめそれを伝えておけば、効率的で質の良い議論ができます。
またオンラインの場合は「あうんの呼吸」が通じないことを踏まえ、「伝えているつもり(伝わっているはず)」にならず5W1Hなどの要素を入れる、抽象的な言い方は避け、具体的に伝えるといったことも確認し合っておくとよいでしょう。
また商談にのぞむ前には、自社の参加者同士、オンラインコミュニケーションのルールを改めて確認しておくことも大切です。「他の人の話しに切り込む時は、許可を取り、名前を言ってから話す」「建設的な意見を心がける」などです。というのも、対面と異なり相手との心理的距離が取りにくいのがオンライン。丁寧な配慮こそがコミュニケーションを円滑にし、離れていてもあたたかい関係構築を可能にします。
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3.KEE’Sのオンライン商談研修をご紹介します
いかがでしたか。オンライン商談にはファシリテーターの働きかけや、オンラインコミュニケーションのルールの共有、議論の「地図」を明確にすることが欠かせません。
KEE’Sのオンライン商談研修では、貴社の課題に沿ったレッスンをご提案、具体的なトレーニング方法をお伝えします。是非お気軽にご相談ください。
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