部下が育つ!管理職にとって理想の「部下との接し方」とは
「部下とどう接したらいいのかわからない」とお悩みの管理職の方は、意外と多いのではないでしょうか。今回は、部下と良好な関係を築くメリットや、具体的な接し方のコツなど、管理職なら知っておきたいポイントをご紹介します。
なぜ部下と良好な関係を築くべきなのか
「部下とは仕事上での付き合いなのだから、最低限の関係性ができていればいい」そんなことを思っていませんか?実は、部下と良好な関係を築くことで、管理職であるあなたにもメリットがあるのです。
1.仕事を進めやすくなるから
良好な関係を築くためには、まずは相手のことを理解する必要があります。部下のことを理解することで、部下の得意分野や苦手分野が見えてくるでしょう。得意分野がわかれば仕事を任せることができますし、苦手分野がわかればサポートやフォローの必要性を把握できます。その結果、チームでの仕事が進めやすくなるといえるでしょう。
2.報・連・相がしやすくなるから
「上司に怒られるのが怖くて、ミスを報告できない」「いつも上司が忙しそうにしているから、連絡のタイミングがわからない」あなたもかつて若手社員だったころ、こんなことを思った経験はないでしょうか。もしかしたら、今は部下から、あなたはそのように思われているかもしれません。良好な関係を築くことで、報・連・相がしやすくなり、些細なことでも共有できる環境が生まれるでしょう。
3.離職率が下がるから
上司と部下が良好な関係を築くことで、社員の「エンゲージメント」が上がります。社員の「エンゲージメント」とは「愛着心」や「愛社精神」「思い入れ」などが挙げられます。実は「エンゲージメントの高い企業ほど、離職率が下がり、定着率が向上する」というデータがあるのです。「この会社で長く働きたい」と思ってもらうためにも、部下との良好な関係づくりは必要ですね。
管理職が知っておきたい「部下との接し方」4つのポイント
では、具体的に管理職として部下と接するとき、どんなことに気をつければいいのでしょうか?ここでは、4つのスキルをお伝えします。
1.共感力
管理職として必要なスキルを尋ねると「リーダーシップ」を挙げる人が多くいます。もちろんリーダーシップは重要ですが、最近は親や先生に怒られたことない、という人も多く、あまり強いリーダーシップにはついていけない若手社員も見受けられます。そんな中、注目されているのが「共感力」。共感力とは、相手の気持ちに寄り添った上で「わかるよ」「自分も同じだよ」と感じることができる力のことです。共感力を身につけると、部下に限らず人間関係の構築がスムーズにできたり、職場のモチベーションを上げるのが上手くなったりします。
共感力を上げるには、相手の立場になって物事を考える癖をつけましょう。今のあなたからすると、部下はまだまだ頼りない存在かもしれません。でも、あなたにも同じように、仕事で失敗をしたり、うまくこなせなかったりした時代があったのではないでしょうか。昔の自分と重ね合わせてみると、部下に共感しやすくなるかもしれません。
ただ、注意したいのは「昔はこうだった」と、自分が若い頃の価値観を押し付けてしまうことです。時代が変わると、当然価値観も変わります。現在の価値観にアップデートできているかどうか、自身を顧みることも必要です。
2.傾聴力
傾聴力とは、相手の話に耳を傾けて聴く力のこと。傾聴力を高めるには、まずは話を聴くことに集中しましょう。部下の話をなんとなく聞き流してしまったり、はじめから「こういうことを言いたいんだろう」と決めつけてしまったりしていませんか?まずは、部下の話に意識を向けることが大切です。
部下に話してもらいやすい雰囲気を作るには、ちょっとした仕草や言葉が重要です。たとえば「ミラーリング」。相手の動きを鏡のように真似すると、相手が自分に好感を持ちやすくなります。たとえば、部下が笑ったら自分も笑ったり、飲み物に手を伸ばしたら自分も手を伸ばすなど工夫するだけで、話しやすい雰囲気が生まれるでしょう。
「バックトラッキング(オウム返し)」を意識するのもおすすめです。相手の言葉を繰り返すことで「自分の話を受け止めてくれているんだ」と安心してもらえるのです。部下が「〇社の案件で悩んでいるんです」と言ったら「〇社のことですね」と返すなど、部下の言葉を繰り返す習慣をつけてみてください。
3.伝達力
部下の話は、ただ聴いていればいいわけではありません。フィードバックやアドバイスをしたり、質問や悩みに答えたりする必要があります。部下だからとそっけなく伝えてしまったり、プレッシャーを与えるような伝え方になったりしていませんか?
伝えるときにまず重要なのは「表情」です。特に年齢を重ねると顔まわりの筋肉が動かしづらくなり、本人にそんなつもりはなくても「無表情」になってしまいがち。口角をしっかり上げて、表情豊かに話すことを心がけましょう。
また、声のボリュームが大きすぎたり、語尾が強かったりすると、威圧感を与えてしまいます。自分の話している声を聴いたことがない方は、一度録音して聴いてみてください。その上で、家族や友人、同期など、率直にアドバイスをくれそうな人に感想を聞いてみましょう。伝達力を上げるには、客観的な意見も必要です。
4.伝導力
最後に挙げるのは、部下やチームを導いていく力です。自分の言葉が相手にきちんと伝わり、目的意識や主体性を持たせることが重要です。そんな時に使えるのが「whyから伝える」ということです。
たとえば、あなたが船の船長だとします。目的も方角も伝えず「鉱山を目指そう!」と船員である部下に伝えたら、部下はついてこられるでしょうか。「どこの鉱山?」「なぜ鉱山なの?」と感じるかもしれません。
だからこそ「why=なぜ鉱山を目指すのか」を伝えましょう。たとえば「鉱山を掘り起こせば、もっと人々の生活が豊かになって、幸せにすることができる。だから鉱山を目指すんだ」と伝えれば、部下のモチベーションは上がるのではないでしょうか。日々の小さな仕事ひとつでも「なぜこの仕事をしているのか」を部下に共有すると良いでしょう。
部下とのコミュニケーションを増やすには
現在はリモートワークを導入している企業も多く、部下とコミュニケーションをとること自体が難しいという声も多く聞かれます。部下とのコミュニケーションを増やすために有効な方法をご紹介します。
1.社内イベントを開催する
ひと昔前は運動会や社員旅行などを開催する企業が多かったですが、現在はワークライフバランスが重視され、廃止する企業も増えてきています。ただ、そのような大がかりなものでなくても、お花見や歓送迎会、忘年会などのイベントを開催するだけでも、部下とのコミュニケーションは図れるでしょう。
また、共通の趣味があると、楽しみながらコミュニケーションをとることができます。スポーツ好きな社員が集まって観戦に出かけたり、大会に出場したりすることで、より関係性を深めることができるためオススメです。
2.1on1
定期的に1対1のミーティングを行うことを「1on1」といいます。1on1は、対面でも、リモートでも可能です。目標や業務進捗の管理をしたり、悩みや不満はないかヒアリングするチャンスでもあります。1on1の時こそ「傾聴力」や「伝達力」が役に立つでしょう。
3.コミュニケーションスペースの設置
車内にリフレッシュスペースを設けることで、部下とのコミュニケーションが増えたという事例もあります。簡単な食事ができたり、コーヒーを飲んだりできるようなスペースであれば、リラックスしながら会話を進めることができるでしょう。
まとめ
部下との接し方について、なにかヒントが得られましたか?部下との接し方が変わり、良好な関係を築くことができれば、仕事が進めやすくなり、会社全体にもプラスの影響を与えられるでしょう。KEE’Sでは、管理職向けの研修を多数ご用意しております。あなたの企業に合わせたカリキュラムを作ることができるので、ぜひ一度ご相談ください。
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