プレゼンの緊張をコントロールする方法
プレゼンやスピーチなど、ビジネスにおいて人前で話すシーンはたくさんあります。しかし「緊張するから苦手」「緊張しない方法はないか」という方は多いのではないでしょうか。時には緊張のあまり夜も寝れない、という方までいます。実は緊張を上手にコントロールして対策すれば、いつも以上の力が出せるものなのです。今回、プレゼンなどにおける緊張をコントロールして、二次被害を防ぐ方法をご紹介します。
プレゼンで緊張するのは正常。大事なのは「二次災害」を防ぐこと
「プレゼンで緊張しない方法はないか」「なぜ緊張してしまうのだろう」と考えている人に知ってほしいのは、人前で緊張するのは生理現象であり、正常なことだということです。大事なのは二次災害を防ぐこと。知識と対策、準備で最小限にとどめることができます。
まずは自分の緊張の要因を知ることが大切です。ぜひ「プレゼンで緊張する3つの要因」の記事で確認してみてください。主に「準備不足」「プレッシャー過敏」「異空間アガリ」の3つの緊張が複合的に起こります。要因がわかれば、緊張する心は格段に抑えやすくなります。
緊張すると、目線、動作、表情、口調、思考などを不自然にする「二次災害」が起こります。例えば、「内容を忘れる」「声が出ない」「声が震える」「早口になる」「顔がこわばる」「目線が泳ぐ」「不自然な動作が出る」などがあります。
次に、この「二次災害」の具体的な防ぎ方を解説していきます。
「緊張すると出やすいクセ」を知って封印する
プレゼンなどの聞き手は、話し手の緊張に敏感です。動作の少しの違和感から、心の動揺を見破ります。そして、聞き手に「あ、緊張しているな」と思われているのが感じられると、話し手の緊張はさらに加速してしまうのです。
聞き手に緊張していると悟られないためには「緊張すると出やすいクセ」を封印し、かわりに「堂々と見せるパフォーマンス」をすることです。緊張していることがバレなければ、内心緊張していても、聞き手にとっては緊張していないのと同じです。
まずはプレゼンなどで「緊張すると出やすいクセ」を挙げておきましょう。
●緊張すると出やすいクセ
1.姿勢の乱れ
・片足重心になる、ゴソゴソ動く
・ベルトや時計に触る
・頭をかく、鼻に触る
・腕組みをする「前組み、後ろ組み」
・原稿を丸めたりする
これらは「私はリラックスしていますよ」ということをアピールしたい動作。「とにかく緊張していないように見せなくては」という自己防衛から出る「何気なさをアピールする動作」です。
でも聞き手からすると「落ち着きがない」「堂々としていない」ように映ります。本人はリラックスを装っているつもりでも、反対に「緊張に弱い自分」を伝えてしまっているのです。
腕組みは前で組むと、「人を受け入れない」というジェスチャーになり、後ろで組むのも偉そうに見えてしまうので、いい印象を与えません。
2.目線の乱れ
・天井や床に目がいく
・瞬きが多くなる
・意味なく、何度も時計を見る
・原稿を見続ける
プレゼン中、目線に落ち着きがないのも「緊張を伝えるジェスチャー」になってしまいます。特に原稿を見続けてしまうのは、そこに救いを求めている弱い心の表れ。でも、そんなところに「救いの天使」はいないのです。
もし緊張を和らげてくれる「救いの天使」がいるとしたら、それは聴衆席。「ワンセンテンス・ワンパーソン」で一人ひとりに話しかける。そのとき、心を開き、話を聞いてくれる聞き手こそが唯一、あなたの緊張を自信に変えてくれる「救いの天使」なのです。
3.口調の乱れ
・「え~」「あの~」など無駄な言葉が多くなる
・早口になる
・口先だけでモゴモゴと話す
・滑舌が悪くなる
緊張すると顔の筋肉が硬直します。そのため、笑顔がぎこちなくなり、口も大きく開けづらくなります。舌の動きも悪くなりますから、口が動かない、滑舌が悪い、モゴモゴとした話し方になってしまうのです。早口になるのは「一刻も早くこのプレゼンを終わらせたい」という気持ちの表れ。全て「器の小さな自分」を露にしてしまいます。
でも、緊張は悪いことばかりではありません。緊張と、良い意味でテンションが上がることは紙一重です。緊張しなければ、いつも以上の実力を発揮することなどできません。
スポーツをしていた人などは経験があるのではないでしょうか? プレッシャーのない、勝ち負けがどうでもいい試合で自己最高記録を出した、などという話は聞かないものです。
大舞台でプレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、自分をリラックスさせることに成功し、最高の集中力で挑んだときにこそ、もてる力を全て発揮できるのです。
プレゼンなどでの話し方でも、緊張を良い意味で感じながら、それがアガリに発展してしまう手前で、上手くコントロールするのがベストです。それには「緊張の要因」を知り、「緊張すると出やすいクセ」を封印することが有効です。
緊張を解消する方法は「堂々と見せるパフォーマンス」をすること
緊張を回避するために必ず守っていただきたい約束があります。それは「人前に立って、いきなり話し始めない」こと。演壇に立って、自分も、聞き手の準備も整わないうちにすぐ口を開くために、話し始めてからボロボロになってしまう人がいるのです。
そうならないために、人前に立ったら、まずは3秒間、黙って聞き手とアイコンタクトを取ってください。「聞き手と仲良くなる時間」を3秒作ってほしいのです。この間、顔は笑顔、体も肩の力を抜き、リラックスした状態を作ること。そして「仲良く」なれたことを確認したら、大きな声でゆっくり丁寧に話し始めましょう。
話し方はスポーツと同じ、心・技・体の「三位一体」。緊張した心から出発すると、表情がこわばり、声も出にくくなり、どんどん「緊張の悪循環」に飲まれてしまいます。
最後に緊張をほぐす方法をご紹介します。緊張していても、とにかく笑顔で大きな声で堂々と話していると、「体」が「だんだんリラックスしてきました」というサインを脳に送ります。それにより「心」の緊張もほぐれて、「技」もスムーズに出てくる「好循環」になるのです。
こうして「緊張すると出やすいクセ」を封印したら、「堂々と見せるパフォーマンス」をしましょう。そうすれば、プレゼンにおいていつも以上の力を出すことができます。
●話し方のテクニック
緊張を上手にコントロールすれば、いつも以上の力が出せる。
KEE’Sの企業研修
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