結論から話す練習でクセをつける
「自分は話し方が下手だ」と思っている人に多い悩みが「話しているうちに、つい話が長くなってしまう」というものです。
確かに長い話は飽きられますし、話している本人も聞き手の無関心な態度を感じ、「やっぱり自分は話し下手だ……」とますます人前で話すことが苦手になってしまう悪循環につながります。
この「つい話が長くなる」人の話し方をもっと具体的に分析すると「話している途中で、話す内容を忘れてしまう」「脱線して、本題に戻ってこられない」「一番重要なメッセージが何なのかポイントが絞りきれない」などがあります。
これら全てを解決するコツがあります。それは「結論から話す」クセをつけることです。
プレゼン・スピーチは「理系頭」で考える!
「エレベータートーク」というプレゼン手法をご存じですか? アメリカのシリコンバレーの起業家が投資を集めるために考えた手法です。
投資をしてくれそうな企業の重役の乗るエレベーターに乗り合わせ、重役が目的階に着く数十秒の間に、自分のビジネスの可能性、魅力についてアピールし、「ぜひ投資してください!」とプレゼンを展開するのです。
そこには短時間で、伝えたいポイントだけをわかりやすく、インパクトを与えながら話す、というプレゼンの極意が凝縮されています。
参考:
> 論理的話し方~30秒以内~
そんなエレベータートークのような珠玉のプレゼンテクニックを身につけるためにはどうすればいいのでしょうか。
私がセミナーなどでよく口にするのは、「スピーチは文系の頭で考えるのではない!理系の頭で考える!」ということです。
「文系頭」で考える人とは、原稿を作るとき、まずパソコンのワードを立ち上げて冒頭から一字一句書き始めてしまうような人です。
そうやって一字一句を最初から考えてしまうと、日本語はどうしても長くなってしまいます。また、修飾語などに飾られ、本当に伝えたいことがぼやけてしまったり、脱線しているうちにメッセージを忘れてしまったりしてしまいます。
「理系頭」で考える人は、まず話し方の見取り図のようなものを先に作ります。出発点と経由地、着地点という大枠を作ってから、それぞれの要素を詳しく考えていくのです。
参考:
> 論理的な話し方の構造を組み立てるトレーニング
「結論 ⇒ 理由 ⇒ 理由の詳細」の3段階で話す
「理系頭」の話し方に慣れるために、論理的な話し方の構成法を最もシンプルなフレームにしましたので、まずはこれを頭に入れてください。
これは「結論 ⇒ 理由 ⇒ 理由の詳細」の3段階で説明する話法です。
例として会議で先月の売り上げが5%アップしたこと、その理由について報告することになった場合を考えてみましょう。
まず、普通に話すとこんな感じでしょうか。
「先月の売り上げですが、お客様アンケートの結果から景気の持ち直し感が強かったのと、祝日の並びの良さなどから、2か月前にくらべて5%アップしました」
これを結論から話すとどう変わるのでしょうか。
「先月の売り上げは2か月前にくらべ、5%アップしました。理由は2つ。景気の持ち直しと祝日の並びの良さ、ということになります。景気の持ち直しについてですが、お客様アンケートによると……」
いかがでしょうか。「結論」を冒頭で言うことで、最重要メッセージがまず伝わります。次に「理由」がいくつあるかをアナウンスしています。これによって生まれる効果は、聞き手が頭の中で情報を箇条書きするように、まとめながら聞いてくれるということです。
聞き手が「自ら」、話し手の話を整理しながら聞いてくれるのです。こんなに楽なことはありません。
ただし、このとき理由は3つまでにしておきましょう。4つも5つもあると、聞き手は覚えられませんし、最初から嫌気がさし、話を理解しようという意欲を失います。
報告やプレゼン、スピーチなどは、聞き手が頭の中で整理しやすいこと、覚えやすいことを基本に、「結論 ⇒ 理由 ⇒ 理由の詳細」の3段階で話しましょう。
この話し方に慣れるために、実際に「論理的話法フレーム」を使って、話を構成してみましょう。そして、結論から話す練習をしてみてください。フレームの記入例を載せておきますので、参考にしながら、論理的な話し方の理解を深めてください。
「論理的話法フレーム」はあなたの報告、プレゼン、スピーチをわかりやすく、魅力的なものにする万能フレームなのです。
参考:
> 「ロジカルな報告」のポイント4つ
> 上司に解りやすい報告・プレゼンをしたい
> ロジカルな話し方とは
●話し方のテクニック
「結論」から話せば、端的でわかりやすく、インパクトのある話し方ができる。
KEE’Sの企業研修
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