コラム

聞き手の心をつかむプレゼンやスピーチの展開術

プレゼンやスピーチ、重要な相手との会話で、何から話せばいいのだろうと、話の順番や展開に悩んでいる人は多いのではないでしょうか。そこで今回は、聞き手の心をつかむためのプレゼンやスピーチ、会話の展開術をご紹介します。

「転」から入って惹きつける、プレゼン・スピーチ・会話の展開の法則

プレゼンやスピーチ、会話では、冒頭に意外性がある話が出てくるほどに、聞き手は「え!? いったい何の話が始まるの?」と興味をそそられ、話に聞き入ってくれるようになります。

会議の報告などでは「結論から先に述べるほうがよい」とされる場合が多いですが、「聞き手を惹きつけたい」「印象づけたい」というプレゼンやスピーチ、重要な相手との会話のときは、話を展開する順番をわざと変えてみるのもよいでしょう。小説の書き出しなどでも、起承転結の「転」から入る手法がよく使われています。

一つ例を挙げてみます。次の文章を読んでみてください。

桜の樹の下には屍体が埋まっている!

これは信じていいことなんだよ。何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった、しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。

これは信じていいことだ。

『桜の樹の下には』梶井基次郎

このように、起承転結の「転」は、聞き手が「あっ!」と驚くプレゼンやスピーチ、会話の最大の見せ場であり、一番聞かせたい部分でもあります。その「転」を冒頭に持ってくることで、聞き手を「えっ!? なにそれ」と驚かせ、「その話をもっと聞きたい!」と思わせることができるのです。

一番聞かせたい勝負ネタ部分は、できれば一番の山場まで大事にとっておきたい……と思う気持ちもわかりますが、プレゼンやスピーチ、会話は冒頭の10秒が命です。話の展開を考えるときには、最も面白いネタをあえて冒頭でぶつけることで、その後の聞き手の態度を大きく変えることが可能です。

よりプレゼンやスピーチ、会話の展開を面白くするために、話す項目の順番をシャッフルして、どの順番で話せばよりインパクトがあるのか、いろいろ試してみてもいいでしょう。

インパクトのある展開を考えてみよう!

そこで、聞き手の心をつかむプレゼンやスピーチ、会話の展開をつくる練習として、次のお題で話すことを想定して、展開を考えてみましょう。

お題「私のオススメ」

  • ① 私のオススメはゴルフ
  • ② 最近始めたゴルフに凝っている
  • ③ 2年間、毎週1回、仕事帰りにレッスンを受けている
  • ④ 最高スコア120、来年までに100が目標
  • ⑤ 仕事をきわめる人はゴルフ上手と本で読んだ
  • ⑥ ゴルフはよい場面、悪い場面で人格が出る
  • ⑦ 道具を使いこなしながら目標に向かうのは仕事でも同じ

上記のうち、どれから話し始めると、最もインパクトがあるか考えてみましょう。

②の経験談から始めるパターン

「最近ゴルフを始めました!……」

⑤の一般論から始めるパターン

「最近読んだ本に、『仕事を極める人はゴルフ上手』とありました……」

それぞれ、プレゼンやスピーチ、会話で話し始めたときに、どんな効果があるのか、どれが最も聞き手を惹きつけ、インパクトのある展開になるのか考えて練習してみましょう。


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