聞き手を飽きさせない表現テクニックを身につけよう
今回は、伝えたいことをより効果的に伝えるための、相手を引きつける表現テクニックです。
アナウンサーも使う表現テクニック
前回もお話ししたように、アナウンサーというのはテレビの前ですっかりリラックスしている視聴者に内容を一度で理解してもらうだけでなく、そのニュースの要点をきちんと届けなければなりません。
もし、一本調子で淡々と話してしまうと、大事なところが埋もれてしまい、伝えたいことが伝わらず、印象にも残りません。
そこで、重要なところを強調したり、必要に応じて間をおいたりする表現テクニックを使っているのです。
こうした表現テクニックは、大勢を前にしたスピーチやプレゼンだけでなく、聞き手の集中力が途切れやすく、限られた時間の中で必要なことを伝えなければならないオンラインコミュニケーションにおいては、特に重要な役割を持ちます。
自分の気持ちを相手に伝えるには3倍増しのテンションで表現しなければ伝わらないとお話ししましたが、こうした表現テクニックを用いれば、伝えたいことを効果的に強調することができます。
表現テクニックの中でも代表的なのは抑揚、つまり音の高低差をつけるテクニックです。
例えば音楽であっても、あまり音程に変化のない曲を聴いているときは長くなるにつれ飽きやすくなります。人の話もそれと同じで、高低差のない話し方は単調に聞こえやすく、聞いているほうは平坦な道をただ歩いているような感覚に陥り、話が長くなるとつい眠くなってしまいます。オンラインの場合はなおさらでしょう。
一方、抑揚がつくとそこに変化が生まれるので、聞き手も退屈しません。アップダウンのある道を歩くのと同じように、オンラインでも聞き手を飽きさせない話し方が可能になります。
抑揚をつける方法は2つあります。
1つは、上の図のように、単語の中の1つ1つの音に高低差をつける方法です。これだけで言葉にぐっと躍動感が出ます。
そしてもう1つは、文章全体の中で強調したい箇所、つまり、ここがポイントという箇所は、少し高い音で話し始めることで抑揚をつける方法です。
試しに次の文章を読んでみてください。
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人とAIとの協業に投資することにより、2022年までに38%の収益効果が可能だと推測されています。
また、生産性の向上だけでなく新しいビジネスの創造や革新にもつながります。
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普通に読んでしまうと、淡々とした平坦な印象を与えてしまいがちな内容ですが、次は太字の箇所を強調するつもりで、抑揚を意識して読んでみましょう。
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いかがでしょう。より生き生きとした印象を醸し出せることに気づいていただけましたか。
実際のオンラインコミュニケーションにおいても、事前に原稿があるような場合には、このように強調したいところにあらかじめ印をつけておくのは良い方法です。慣れてくれば、印がなくても、また特に原稿がないような場合も、抑揚をつけて話すことができるようになります。
強調する方法としては他にも、「感情を込める」「音に強弱をつける」「スピードを変える」という方法がありますので状況に応じて、使ってみても良いでしょう。ただし、オンラインの場合は、音が弱かったり、スピードが速すぎたりすると、言葉自体が伝わらなくなりますので、弱くする表現よりはむしろ強める表現を、スピードを速くするよりはゆっくり話す表現をおすすめします。
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本コラムは、KEE’S代表の著書『オンラインで伝える力』の中から一部を抜粋・編集しています
KEE’Sの企業研修
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