コラム

間をとることで大事な言葉を印象づけ、聞き手の理解も助けることができる

強調したい場所をより際立たせるのが、間です。話し手にとっては時に気まずいと感じることもある何も言わずに沈黙する時間が、聞き手には非常に重要です。

つまり、自分の言いたいことを、聞き手に無理なく理解してもらいながら、大事なことを相手の印象に残すために使うのが、間のテクニックなのです。音声が聞き取りづらかったり、集中力が持続しにくいオンラインでは特に、間をとることが大切です。間のテクニックを使いこなせば、相手を飽きさせず、重要なポイントを相手の印象に残す話し方ができます。

間には、引きつけの間と理解の間の二種類があります。

引きつけの間

強調したい言葉の前後にとり、言葉に聞き手の注意を引き付ける間のことを、<引き付けの間>と呼んでいます。

間をとる時間は、1秒から3秒くらいが妥当です。
次の文章で、引きつけの間を試してみましょう。
太字の言葉の前後に、1~3秒の間をおいて読んでみてください。

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いかがですか?強調したい言葉が、まるでそこにスポットライトが当たっているかのように、際立つのが実感できましたか?

間をとる時間は、どれだけその言葉を強調したいかによって変わります。

間の天才と言えるスティーブ・ジョブズは、プレゼンの冒頭で、ツカミの一言を用いることが多いですが、登壇して最初の一言を発するまでに7秒の間をとった例があります。話し手が黙り込むと、聞き手は「どうしたんだろう?」という気持ちになり自然と注目します。
その心理を上手く利用するのが間のテクニックなのです。
ただ、あまりに頻発すると、何が大事なのか逆にわからなくなったり、聞き手がなれてしまい本当に大事なところで注目を集められなくなるため、絞り込んで使うことで効果を発揮します。

商談などでは、特に相手に伝えたい言葉の前の1秒、もしくは前後に1秒ずつくらい間を入れると、違和感もなく、自然な形で聞き手の注意を引きつけると同時に印象に残すことができるでしょう。

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理解の間

もう一つ覚えておきたい間は、<理解の間>です。
これは、段落ごと、もしくはひと通り話を終え、違う話題に入るタイミングで取る比較的長い間のことです。時間的には3~5秒くらいです。

聞き手は話し手と違って、話の内容を事前に知っているわけではありません。そのため、今まで聞いた話を頭の中で咀嚼する間がないと、次の新しい情報が頭に入ってきません。

早口の人の話が右から左へと流れていってしまい、まったく印象に残らないという経験はありませんか?

まさにそれは話しに間がないせいであり、頭の中で話題を整理する時間がなく、情報を消化しきれないことが原因なのです。
特にオンラインでは、一人が一方的に話す時間が長くなるため、相手がどこまで自分の話についてきているかわからなくなったり、相手が話についてこられなくなっていつことも多々あります。

そういったことを防ぐため、話が一段落したところで一度理解の間を取りましょう。
すると、聞き手は新たな情報を受け入れる準備ができるため、次の話もスムーズに伝えられるようになります。

また、理解の間のあとは、転調といって、調子を変えて話し始めると話が転換したことがよくわかります。転調する際は、次に始まる話題に合わせて声のトーンを変えたり、スピードを変えたり、表情を変えたりすると良いでしょう。

※本コラムは、KEE’S代表の著書『オンラインで伝える力』の中から一部を抜粋・編集しています


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