コラム

社内コミュニケーションにも効果あり?接遇研修のポイントと具体的な内容をご紹介

お客様や取引先とのコミュニケーション向上のため、接遇研修を実施しているという企業は多いようです。しかし、接遇スキルが全ての社員に浸透しない、いざ現場に出ると社員によって対応がバラバラで研修が活かされていない、といったお悩みも聞かれます。
接遇研修を行っても、現場に出た社員が臨機応変に対応することが難しい、そのための指導ができないという声も。接遇は、日常業務をこなすだけで自然と身につけられるものではありません。もちろん、そのようなセンスがある社員もいるでしょう。しかし組織としては、どの社員も同じレベルの接遇ができるということが大切です。「接客」から一歩踏み込んで、お客様の心に寄り添うコミュニケーションが求められる「接遇」。接遇研修のポイントや、その内容についてご紹介します。

接遇研修はなぜ必要か

接遇研修が注目されるようになった背景には、顧客の要望や消費行動の変化があげられます。かつては、良いもの便利なものを探し手に入れることが買い物の目的でした。
しかし現在、探しているものはインターネットで以前より簡単に手に入ります。そこで私たちは、物にまつわるストーリーやその会社を応援したいと思える何かを探し始めました。何を買いたいかだけではなく、誰から買いたいか、といった付加価値が重要になってきたのです。企業としてもただ良いものを売るだけでは様々なニーズにこたえることができない、そこで接客の一流さや印象度、顧客との関係の築き方に注目が集まったのです。

接遇研修とはどのようなものか

では、接遇研修とは実際に何をするのかについてご紹介します。接遇を扱う研修では正しい言葉づかいや場に応じたマナー、相手を思いやる配慮や振る舞いなど、接遇に必要なスキルやマインドを学びます。また、信頼関係を築く第一歩として大切な笑顔や表情についても触れ、印象の良さや親しみやすさについて深めることもあります。
しかし、状況に応じた臨機応変な対応が求められる接遇は、座学だけでは身につきません。どんな場面でどのような振る舞いが適切かを理解し、現場に出た社員が自ら対応できる力を身に着けることが最終の目的です。そのため、接遇研修では実践を通して学ぶスタイルが一般的です。
例えば、受講生が会社の社員役とお客様役にわかれて演じながら接遇を身につけるロールプレイング、業種に応じた場面設定で、課題について話し合うケーススタディ等の手法があります。接遇研修の講師は、客室乗務員やホテル業界出身者など接客のプロが担当することが一般的です。またアナウンサーも、常に人から見られる職業であること、企業のトップから子どもまであらゆる世代の人と接する機会が多いことから、接遇研修の講師として人気があります。

接遇研修のメリット、効果

では、研修をすることで社内にどのような効果が生まれるでしょうか。3つあげてみましょう。

・顧客との信頼関係がうまれる
「接客」という基本的な対応から一歩進んだコミュニケーションが「接遇」です。顧客がものを買ったりサービスを提供された際、特別な時間だと感じたり、大切にされたと思う経験は、「次回もまたここで買い物をしたい」「何度も足を運びたい」という思いに繋がります。顧客との信頼関係がうまれることで、一回限りではない長いお付き合いにも繋がります。

・従業員同士のコミュニケーションが良くなり、風通しがよくなる
顧客や取引先に対する接遇への意識と社内コミュニケーションの向上は、一見関係がないように思えるかもしれません。しかし、相手を思いやる言葉づかいや振る舞いは、他の社員から見ても気持ちの良いもの。また、それを実践している本人にとっても、一段上の接客をしているという自負や誇りの気持ちが積み重なります。さらに、自らの丁寧な行動や配慮の結果が顧客満足度アップなどの結果に繋がることで、仕事に対するモチベーションもあがります。そのような好循環は社内にも良い空気をもたらし、活発なコミュニケーションや士気向上に繋がると言えます。

・クレームが軽減される
クレームには 2 種類あります。ひとつは物の故障や不良に対するもの、そしてもうひとつがそれを提供するスタッフや社員の対応のまずさや、説明不足に対するものです。
そして重要なことは、顧客にとってより印象に残るのが、後者であるということ。いくら良いものを売っていても、それを扱う社員やスタッフの対応ひとつでクレームになりうるのです。言い換えれば、接遇によりクレームを防ぎ、顧客の信頼を取り戻すことも可能に。人から伝わるまごころや誠意は、顧客がその会社やサービスの評価を左右する最も重要な要素のひとつになるのです。

研修の流れ

接遇研修を実施するにあたり、次のような流れで決めることが一般的です。

①自社の現状や課題を分析し、研修の目的や対象となる階層を決定する研修効果をあげるためにはまず、自社に何が必要かを洗い出します。

②研修実施形態と内容を決める
実施形態には、講師が研修を実施する会社の会議室等に出向いて行う対面研修とオンラインでの研修があります。また、実際にサービスを提供している現場に講師が出向く出張研修という形も可能です。

③事前アンケートを行い、社員が困っていることや知りたいことを洗い出す講師が現場の実態を知るため、また実際に研修を受講する社員が研修を自分ごととして捉えるためにも、事前アンケートは有効です。

④研修終了時のアンケートで、研修で得た知識や気づいたこと、今後の目標などを記載してもらう
研修実施直後に受講者が気づきや学びを言語化することは、研修の振り返り と知識の定着につながります。アンケートで知る生の声は、講師や研修担当者にとっても受講者の理解度や研修の手応えをはかるための重要な素材となります。

⑤学んだことを定着させるため、研修実施後のフォローアップを行う
研修実施直後はモチベーションがあがっていても、日が経つごとに気持ちは変化するもの。また、研修で学んだことを現場で実践してもうまくいかない、ということもあるかもしれません。研修内容の振り返りや、実践して生まれた疑問をシェアする等の機会をつくることは接遇スキルの定着に繋がります。

研修会社を選ぶポイント

最後に、研修会社を選ぶポイントについてお伝えします。
研修はその中身が重要であることはもちろんです。研修会社の実績や評価も参考になるでしょう。
しかし研修において何より大切なことは、研修の場で生まれる受講生同士のやり取りの活発さや、講師と受講生の双方向性からうまれる気づきです。そのため、研修内容としてケーススタディやロールプレイングを交えた実践が含まれていることに加え、講師がその場でポイントや改善点を指摘してくれるかどうか、ということが研修の成果につながるカギとなります。講師に接遇に関する現場経験があると共に、受講生の主体性を引き出し、学びを促す関わりができるかどうかは大切なポイントです。

接遇研修について、その必要性と効果、具体的な研修の流れと研修会社を選ぶポイントについてご紹介しました。KEE’S では、貴社のニーズに応じた実践的な研修内容で、社員ひとりひとりのモチベーションをあげると共に、接遇スキルの向上と定着を目指します。興味のある方はお気軽にご連絡下さい。


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