より相手に伝わる話し方になる!「ロジカルな報告」のポイント4つ
相手に対して簡潔に、大切なポイントが伝わる話し方である「ロジカル報告」。論理的に話をする上では、「結論→理由→詳細」という3段階に分けてその構成を組み立てていくことが必須になります。このロジカル報告を行う際に、より相手に伝わる話し方をするための大切なポイントを4つご紹介します。
1. 自分の「WILL(意志)」を入れる
コラム「論理的な話し方の構造を組み立てるトレーニング」では、「魔法のシート」を使って、ロジカルスピーチの基本構成の組み立て方法をご説明しました。
このシートを応用することで、プレゼンや上司への報告を、より一層、相手に伝わる話し方、つまりロジカルなものにすることができます。
では、下にあるシートを見てみてください。

シートの中の左側のブロックには、「NOW(現在)」に関する事柄を。そして、右側のブロックには「FUTURE(未来)」に関連する項目を記入していきます。
たとえば「NOW(現在)」の場合は、下記のような要素が入ります。
(1)「A社の山田部長から連絡があり、ミスが発覚しました」
(2)「本来50個納品するべきところが、48個しか送られていないとのこと」
(3)「なぜそうなってしまったのかというと、2個在庫が足りない状態だったのに、ちゃんと確認をせずに送ってしまったからです」
だいたい多くの人は、この「NOW(現在)」を書き込んだところで、報告を終わりにしてしまいます。しかし、これだけでは物足りません。そこで、付け加えるべきが、右にある「FUTURE(未来)」の項目です。
(4)「山田部長が明日までに揃わないと困るとのことです」
(5)「いまから山田部長に至急電話して、謝罪し、足りなかった残りの2個をお届けしようと思います」

いかがでしょうか? 「FUTURE(未来)」の要素を組み込むことで、経緯を説明するだけだった報告に、自分の意志(WILL)が伝わってきます。
このように、論理的な経緯を説明に加えて、その後の対策方法までが述べられることで、聞いている人が納得してくれ、伝わる話し方・報告をすることができるのです。
ただ、報告のなかに自分の意志(WILL)を入れることに対して、「上司に部下である自分が提案なんてしてもいいのだろうか?」「余計な進言をしたら、怒られるんじゃないだろうか?」と、不安になるかもしれません。
でも、上司の立場になって考えてみると、「ミスがありました」と報告されて、現状の問題だけを訴えられても困ってしまいます。
「ミスがあったんですが、私自身はこういう解決策がどうかと考えています。どうでしょうか?」という報告ができれば、現状の伝達だけでなく、解決策の提案も同時に行えます。良い提案ができれば、ミスしたことでマイナスになってしまった評価を、提案によってリカバリーすることができるかもしれませんよ?
2. 5W1Hを忘れずに
より相手に伝わるロジカルな報告をする上で、ぜひ覚えておいて欲しいのが、「5W1H」です。これは「When(いつ)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Where(どこで)」「Why(どうして)」の5Wと「How(どうやって)」の1Hを、必ず報告のなかに要素として入れておくというものです。
基本的なことのように思えますが、私自身、いろいろな人の報告を聞いていると、意外とこの「5W1H」が抜けていることが多いのです。
「自分ではわかっているから、相手もわかっているだろう」とか「こんなことは、わざわざ口にしなくても相手に伝わるだろう」と思うかもしれませんが、実はビジネスにおいて、その細かい経緯がすごく重要です。細かい経緯を知ることで、責任の所在をきちんと明らかにする必要があるからです。
3. 数字を使って説明する
ロジカルなトークや報告に、さらに説得力を持たせるために大切なのが、アンケートなどの「客観性のあるデータ」を使うことです。
次の2つの文章を比較してみてください。
「このサプリメントをお飲みになった多くの方が劇的に減量することができたのです」
「このサプリメントをお飲みになった100人中68人が、3か月で5kg以上の減量に成功したという調査結果があります」
後者のほうが、明らかに説得力を感じるのではないでしょうか? これは、前者が「多くの方」「劇的に」といった主観的な言葉を使っているのに対して、後者は「100人中68人が」「3か月で5kg以上」などといった客観的なデータを使っているからです。
話を強調して伝えようとすると、つい主観が多くなってしまいますが、特にビジネスにおいては説得力や根拠のない話はNGです。よりストレートに事実を伝えるために、客観性を重要視した話し方を目指しましょう。
4.「どんぴしゃ」な一言を作る練習を
いろいろと伝えたいからといって、ダラダラと言葉をつなげてしまっては、伝わるものも伝わりません。相手に伝わる話し方をするためには、5秒以内で伝わるような「どんぴしゃ」な一言で伝えましょう。
では、どんぴしゃな一言とはどんなものでしょうか? たとえば、次の2つの文を比べてみてください。
「私は手先が器用なので、休日はいつも裁縫や料理をして過ごします」
「私のあだ名はマメ子です。手先がとても器用だからです」
この場合、後者の方が、より覚えやすく、キャッチーに聞こえるのではないでしょうか。
ポイントは「誰もが使うような形容詞は使わず、一文を長くしないこと」。これが一番伝わるフレーズだと思えるものがあれば、仮に若者言葉だったり、文法的に多少間違いがあっても、かまいません。言葉のセンスは日ごろの意識の持ちようで、磨いていくことができるものです。だからこそ、日常生活のなかで、「ありきたりな言葉は使わない」「5秒以内でまとめられるような、短い文章で表現する」という癖をつけていきましょう。
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