コラム

1on1とは?部下の本音を引き出す方法と必要なスキル

1on1ミーティングとは、上司と部下の1対1の面談のことです。少子化や働き方の多様化により人材不足が深刻化しており、人材育成や離職防止の観点から1on1を実施する企業が急増しています。

しかし「何を話していいのかわからない」「具体的にどう進めればいいのかわからない」「つい指示や指導をしてしまう」など、課題を抱えている企業も少なくありません。そこで今回は、1on1を効果的に実施するために必要なことをお伝えします。

1.1on1ミーティングの目的とは

1on1と聞いて、人事評価の面談をイメージする方もいるかもしれません。しかし、実際は大きく異なります。人事評価は上司の質問に部下が答える「一方通行」のコミュニケーションですが、1on1はあくまでも「双方向」です。また「週に1回」「月に1回」などの短いサイクルで実施します。定期的に行うため、1回あたりの時間は15分〜30分と短めであることが多いです。

では、そもそも1on1の目的とは何でしょうか。ここでは大きく3つの目的をご紹介します。

●人材育成
1on1最大の目的ともいえるのが「人材育成」です。従来の日本企業では、上司が一方的に指示を与え、部下が応える形で仕事をしてきました。しかし、それでは部下が主体的に仕事をするチャンスを逃してしまうことになり、成長にも繋がりません。
1on1は一方的な指示ではないため、部下も主体的に考えたり動いたりする必要があります。それが部下の成長に繋がるというわけです。上司も正解を与えるのではなく、部下が自ら正解に気づけるよう、見守っていくという役割があります。

●信頼関係の構築
1on1は、仕事のことだけを話す場ではありません。人間関係やプライベートのことなど、ざっくばらんに話せる場だと考えましょう。普段、仕事をしているだけではわからない人柄を垣間見ることができるため、お互いへの理解が深まります。定期的に1on1を続けることで、信頼関係の構築が進むことが期待されます。信頼関係が構築されれば、普段のマネジメントやコミュニケーションもスムーズに進むでしょう。

●離職防止
近年、終身雇用制度の崩壊や働き方の多様化により、離職、転職のハードルが低くなっています。しかし、企業側としては、優秀な人材は引き留めておきたいですよね。
1on1を定期的に実施することで、部下が企業に何を求めているのか、を知ることができるのです。また、ストレスや悩み、不満などを持っていた場合、1on1を通していち早く異変を察知することができます。結果として、部下にとって働きやすい職場を作ることに繋がるでしょう。

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2.1on1に必要なスキル

1on1を成功させるためには、まずは上司がスキルを身につけましょう。必要とされるスキルは以下の通りです。

●アイスブレイク・雑談力
上司と2人きりで話すことで、緊張してしまう部下も多いでしょう。張り詰めた空気のまま進めてしまうと、本音を話しづらくなってしまいます。まずは、部下が話しやすくなるような空気を作ることに努めましょう。

いきなり本題に入るのではなく、ちょっとした雑談や世間話から始めることで、部下の緊張もほぐれてきます。上司は、このような「アイスブレイク・雑談力」を身につける必要があるのです。

●傾聴力
部下と話すときに「傾聴」を意識しているでしょうか。「傾聴」とは相手が話したことを受け止め、共感・理解することです。具体的には、興味を示していることを表情や頷きで示したり、相手が話しやすくなるようにあいづちを打ったり、効果的な言葉を投げかけたりすることが挙げられます。
仮に、部下が自分と異なる意見を話したとしても、否定するのではなく、まずは受け止めるようにしてください。

●対話力
1on1では、部下との対話を掘り下げ、真意を聞き出すことが重要です。表面的なコミュニケーションだけでは、信頼関係の構築に繋がらないからです。真意を聞き出すためには「対話力」、特に「ヒアリング力」が必要とされます。「ヒアリング力」は実際の対話を繰り返すことで磨かれるので、出来れば事前に練習をしたり、シミュレーションをしておくと安心でしょう。

これらのスキルは、自分ができているのか客観的に判断するのが難しく、管理職ともなるとなかなか学ぶ機会もありません。スキルに不安のある方や、客観的なフィードバックを受けたい方は、1on1ミーティングの研修を受けてみることをオススメします。

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3.1on1を実施するときのコツ

いざ1on1を実施するにあたって、どんなことに気をつければ良いでしょうか。ここでは、上司にとって必要なスタンスや心構えをお伝えします。

●主役は部下である
すでにお伝えしている通り、1on1は上司が指示や指導をする時間ではありません。部下に主体的に話してもらう、という意識を忘れないでください。上司は、基本的には聞き役に徹します。必要に応じて「なぜそう思うのか」「どうしたら良いと考えるか」と問いかけるなどして、気づきを促したり思考を深めたりする役割だと考えましょう。

●話しやすい空気作りを心がける
部下が委縮してしまって本音を話せないようでは、1on1を実施する意味がありません。話を聴いていることを態度で表したり、共感を示したりすることで、部下が話しやすい空気作りを心がけたいところです。また、対面の場合、他の人に会話を聞かれないような場所を設定するなどの工夫も必要です。

●ネクストアクションを設定する
1on1を実施して何か課題が浮き彫りになった場合、課題に対するネクストアクションを決めましょう。その場限りのフィードバックやアドバイスだと、日頃の業務に追われて忘れてしまう可能性があるからです。「次の1on1までに、こんなアクションをする」と目標を設定し、次回実施時に振り返りの時間を設けましょう。「悩みを打ち明ける」⇒「課題が浮き彫りになる」⇒「ネクストアクションを設定する」⇒「アクションによって、悩みが解決される」というループが周り出すと、部下も積極的に話してくれるようになるはずです。

●部下一人ひとりの性格や考え方に合わせる
部下とひとくちに言っても、性格や考え方、価値観は様々です。「部下とはこういうもの」と決めつけるのではなく、それぞれのタイプを考慮して進めていきましょう。はじめのうちはお互い手探りになると思いますが、定期的に開催することで見えてくる部分もあります。焦ることなく、長い目で見て取り組むことをオススメします。「何を話せばいいかわからない」という場合は、あらかじめテーマやアジェンダを決めておき「今日はこのテーマで話そう」と提示するのも一つの方法です。

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4.まとめ

1on1は企業として非常に重要な取り組みです。今後、テレワークが普及して直接顔を突き合わせて話し合う機会が少なくなると、ますます必要性が増していくと考えられます。

しかし、上司のスキルが不足していたり誤ったスタンスで実施していると、効果が出づらいばかりか、逆に部下の不満が溜まったりモチベーションが低下する可能性もあります。そうならないためにも、まずは上司の意識を変えて、きちんとしたスキルを身につけた上で実施すると良いでしょう。

KEE’Sでは1on1ミーティングの研修を用意していますので、スキルに不安のある方はぜひお問い合わせください。

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