部下とのコミュニケーションが難しい!理由や対策をご紹介
仕事を進めるうえで「部下とのコミュニケーションが難しい」と悩む人が多いようです。世代や価値観が異なるメンバーとスムーズに意志疎通することは、仕事の生産性にも大きく影響します。部下とのコミュニケーションが難しい理由やその対策を知り、チームの多様性を活かしたマネジメントに繋げましょう。
1.部下とのコミュニケーションは何故難しいのか
まずは部下とのコミュニケーションが難しい理由について考えてみましょう。社会人になるまでも、私たちは様々な場でコミュニケーションをとりながら生活をしてきました。しかし職場でのコミュニケーション、特に部下との関係について悩む人が多い理由は、以下3つが考えられます。
①仕事の成果や目標に向かう集団であること
言うまでもなく、職場は仕事をする場所であり、会話の多くは業務を円滑に進めるためのやり取りになるでしょう。仕事には一定の成果が求められ、そのための目標があります。おのずと、会話の内容も仕事の進め方やゴール設定、計画や数字といったものが多くを占めるでしょう。
もちろん、そのような会話が悪いわけではありません。ですが、こういった会話で出てきづらいものがあります。それは、個人の感情や本音です。特に、部下にとって上司は「自分を評価する」人物。部下の側からすると、上司と話すことには見えないハードルがあるものだと認識しましょう。
②会社の雰囲気が影響すること
最近、社員の座席位置を固定しないフリーアドレス制を導入する企業があります。様々な人と席が近くなることで会話の機会が増え、総じて社内の雰囲気が良くなるという効果をねらってのようです。確かに、社内に個人的な会話をしたことのある人が増えれば増えるほど、その場所での居心地が良くなるということはありそうです。あるいは、飲み会で席が近くなった上司と話しをしたら、一気に心理的な距離が近くなった、という経験は誰にもあるでしょう。
私たちはその場の空気を敏感に感じ取り、会話の内容や声のトーンを使い分けています。会社の社風や職場の雰囲気は、コミュニケーションにとって重要な要素と言えます。
③十分な時間がとれないこと
求められる業務は増える一方、人手不足に悩む企業が多いのが現代。効率的に業務をこなすことが最優先課題となり、スケジュールの余白やゆっくり雑談をする機会は減っているでしょう。
加えてテレワークで顔を合わせる機会が減った、オンライン会議では議題以外の雑談をしづらい、といった声もきかれます。
以上、3つの視点から部下とのコミュニケーションが難しい理由をあげました。ではこれに対してできることがあるとすれば、どのようなことでしょうか。
2.部下とのコミュニケーションの取り方
決して大きな変革をせずとも、工夫次第で部下とのコミュニケーションを活発にすることができます。ここでは、ポイントをあげて解説していきます。
①雰囲気づくり
話しやすい雰囲気が大切、というとオフィスの環境をイメージするかもしれません。社内にカフェやオープンスペースがあればよいのですが、そのような環境が必ず必要とは限りません。実は最も大切なのは、一人ひとりの意識です。
あなたは、部下に話しかけられやすい雰囲気を意識していますか?
例えば、「ちょっといいですか?」と部下から声をかけられた時、まずどんな動作をしているかを思い出して下さい。パソコンから目線を外さず、両手はキーボードの上、部下の顔を見ることもなく部下の次の言葉を待っている………なんてことはないでしょうか。
人は話をする前から、相手が自分の話しを聴いてくれそうかどうか、を判断しています。そのポイントは目線や姿勢、表情などの非言語コミュニケーションです。
例えば、腕組みをしながら話しを聴くことは、相手を拒否しているという印象に繋がりますし、話している相手ではなくパソコンの画面に目線を向けていることは、あなたの話しに興味がありません、というメッセージを発信していることと同じです。部下に話しかけられたら、まずは作業の手を止め、部下のいる方向に姿勢を向けて下さい。やわらかい表情も意識することができればさらにいいですね。飲み会や社内旅行がなくても、部下が話しやすい雰囲気をつくることはできるのです。
②習慣化
短くても頻繁にコミュニケーションを取ることが、人との距離を縮めるコツ。部下とのコミュニケーションも日々の業務の中に取り入れ、習慣化してみましょう。例えば一日の始まりは挨拶だけではなく雑談をする、業務の報告を受けた際には労いの言葉にひとこと添える等、ほんの数分の時間でも構いません。
また、コミュニケーションが不足しがちなオンライン会議の際には、必ずメンバー全員が発言する時間を設けることも大切です。最近は様々なコミュニケーションツールも開発されているため、離れた場所にいる部下とはテキストのやり取りでコミュニケーションを取ることもひとつの方法。きっかけが多くあればあるほど、部下が気軽に話す機会がうまれます。
③とにかく部下の話しを聞く
部下の話しをよく聞いて下さい、と言うと「じゅうぶん聞いています」と答える方も多いかもしれません。果たして本当にそうでしょうか。多くの人は相手の話しを聞きながら、頭の中では自分が次に何を話すかを考えています。また、上司という立場から職業上での知識が部下よりも多いため、部下が話すことの結論が見えてしまうこともあり、先回りして教えたり間違いを正したりしたくなることもあります。
それらをいったん脇に置いておいて、部下の話しを「最後まで」「否定せずに」聴くことを心がけましょう。部下にとって自分の話をよく聞いてくれる上司は、自分のために時間を割いてくれる人。そのような上司には信頼感が芽生えると共に、次は仕事で成果を出し期待に応えたいという気持ちに繋がっていきます。
3.部下に信頼される上司になるために
では最後に、信頼される上司になるためのポイントをお伝えします。
①褒める、労う、承認する
褒めると言っても、うわべだけの言葉で部下を持ち上げるという意味ではありません。部下の行動を丁寧に観察しその行動を褒めることは、部下にとって存在を認められたという自信になります。「~の資料がわかりやすく、顧客の理解に繋がったので助かったよ」「○○さんがいてくれたから、商談がスムーズに進められた。次からも期待しているよ」等、言葉にして伝えることが大切です。
②誰の悪口も言わない
他者の批判や非難をする上司からは、前向きなエネルギーが感じられませんし、尊敬の気持ちが失われます。また、裏では自分も悪口を言われているのではないかと部下が不安を抱くことも。そのような上司に、部下は本音を話そうとはしませんし、ミスをした際に隠そうとしたり、報告を先延ばしにしようとするかもしれません。結果的に上司にも部下にも、プラスになることはひとつもないと言えます。
③自分のミスも認める
上司だからと言って完璧である必要はありません。例えばミスをした際には部下の前でも素直に認めることが大切です。正直な姿勢こそ信頼感に繋がりますし、ミスや失敗をしても受け止められ次のチャンスが与えられる職場だと部下が感じることは、心理的安全性を高める重要な要素です。
④目的とゴールを共有する
仕事の目的とゴールは、常に確認し共有するようにしましょう。途中経過も丁寧に伝え合うことで、部下が困っていることや負担に感じていることを把握することができます。また、心身の不調が起こっていないか、スケジュールやタスクに無理がないかを確認する機会にもなります。
4.まとめ
部下とのコミュニケーションは、個人間の関係のみならずチームの生産性にも大きく影響する大切な要素です。今回はすぐに実践できるコミュニケーションのコツをお伝えしましたが、最も重要なことは上司であるあなたがいかに信頼されるリーダーであるかということです。KEE’Sでは貴社の課題に応じたプログラムで実践に繋げるリーダーコミュニケーション研修をご用意。オンラインコミュニケーションに特化したレッスンも可能です。詳しくは下記のリンクをご参照下さい。
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