コラム

印象に残る新入社員へのあいさつの3つのポイント

4月。新入社員を迎える季節ですね。新たに会社の仲間となるメンバーへ、どのような言葉で歓迎の気持ちを伝えるとよいでしょうか。毎年何を話そうか頭を悩ませているという方、新入社員へのあいさつは何となく例年同じ内容でOKと思っている方、今年は自信を持って、相手の印象に残るメッセージを伝えてみませんか。
今回のコラムは、印象に残る新入社員へのスピーチについて、準備から当日に意識したいことまで、ポイントを3点お伝えします。

1.まずは相手の頭の中を知ることから

スピーチの準備として、皆さんはまず、何からとりかかりますか。何を話そうか?と話しのネタを考えて原稿を作り始める……これも間違いではありません。しかし、そもそもスピーチの主役は誰でしょうか。それは話し手ではなく、聴き手です。どんなに練られたスピーチも、相手が聴きたいと思えなければ意味がありません。

ポイントのひとつめは、相手の頭の中を知ることです。スピーチ当日に目の前にいる相手は、どんな話を聴きたいと思っているのでしょう。もちろん、他人の頭の中を見ることはできません。そこで、想像力を働かせます。スピーチを聴く相手の心情や状況はどのようなものか、想像してみましょう。大学を卒業したばかりの若者であれば、新生活の期待に胸を膨らませていそうですね。一方で、この会社に馴染めるのか、上司や先輩とうまくやっていけるのか、不安も抱えていることでしょう。この 2 年間はコロナ禍でオンライン授業が主流だったため、大学生活でやりたいことができなかったという悔いを残したまま、卒業した人もいるかもしれません。

新入社員の中には、他の企業から転職してくる方もいますね。転職による中途入社の方の心境はどうでしょうか。転職の理由は様々、しかし誰もが心機一転、この会社で力を発揮したいと考えているでしょう。社会人としての基盤はすでにあり、それぞれが、前職で培った知識やスキルをどのように発揮したいかという設計図を具体的に持っていそうです。経験があるからこそ、新天地の企業風土を早くつかみたいという焦りもあるかもしれません。

さぁ、ここまででスピーチを聴く相手の状況が少し見え始めてきたでしょうか。相手の状況が見えてきたら、使う言葉、話すエピソードも相手に合わせたものを選ぶことができますね。聴き手が、そうそうと頷いたり、確かにと納得したり、知らなかったと驚くような反応ができる箇所を入れると、あなたと聴き手との距離がグッと縮まります。自ら考えるのが難しければ、聴き手にあった例文を書籍などから探してきても良いでしょう。

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2.ツカミはあなたの第一印象

原稿は準備できました。さぁ本番。演台に立ち(あるいはオンライン画面でマイクをオンにし)第一声、どんな言葉から始めますか?せっかくスピーチの原稿を準備したのにありがちな失敗は、第一声に無駄な言葉を付け足してしまうこと。それが「え~」「あの~」「ただ今ご紹介に預かりました……」といった、無意識の、あるいは定番のフレーズです。

これらの言葉が絶対ダメというわけではありません。しかし、第一声はあなたの第一印象です。私たちは初対面の人に出会った際、「優しそう」「怖そう」「気が合いそう」といった印象を、わずか数秒で決めると言われています。

スピーチにおける第一声も、この初対面の印象と同じです。もしスピーチが「え~」「あの~」と間延びした一言や、「ただ今ご紹介に預かりました……」といったお決まりのフレーズから始まれば、聴き手は瞬時に「今から長い話しが始まるのか……」「ありきたりなスピーチなんだろうな……」という印象を持ちます。

演台に立ったら、まずは重心を意識し、地にしっかりと根を張り巡らせた大きな木をイメージして、姿勢を安定させましょう。鼻から吸って口から軽く息を吐く、ひと呼吸の間をとるのもいいですね。口角を少しあげ柔らかい表情をつくることで、あなたの身体から脳へ“今からリラックスして楽しく話せるぞ”という信号が送られます。準備が整ったら、いよいよスタート。会場全体をゆっくり見渡し、豊かに響く声で話し始めましょう。無駄な言葉は飲み込んで、はじめのひとことを大切に。ここまでの流れも含めてリハーサルを重ねておくと、本番の緊張対策にも効果的です。

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3.オンラインではひとさじのユーモアを

始まりの場面は、話し手にも聴き手にも緊張が伴うもの。ましてやオンラインとなれば、会場の空気感が伝わりにくいため緊張がほぐれず、場を共有していないために一体感も得にくいもの。そこで潤滑油となるのが、ひとさじのユーモアです。

昨今注目されている「心理的安全性」というキーワード。これは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも、安心して発信できる状態のこと。心理的安全性の高いチームのメンバーは離職率が低い、ということが、Google の調査により明らかになっています。

では“自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発信できる”という心理的安全性から最も遠い状態は何でしょう。それは、失敗や間違いが一切許されないことです。チームにこのような雰囲気がうまれると、人はチャレンジを恐れ、ミスを隠そうとします。

話しをスピーチに戻しましょう。スピーチを聴いている相手が心理的安全性を感じるには、どのようなユーモアが効果的でしょうか。例えば、失敗談です。取り返しのつかない重大なものではなく、今なら笑い話しになるような新人の頃のミスや勘違いは、誰にでもひとつやふたつはあるもの。その経験から何を得たか、その時周りがどんなフォローをしてくれたかを話すことで、新しいメンバーにとっては、働くイメージがわくと共に、何かあっても助けてもらえそうだという安心感にも繋がるでしょう。

印象に残る新入社員へのスピーチについて、ポイントを 3 点お伝えしました。一見、軽々とスピーチをこなしているように見える人でも、実は今回お伝えしたような丁寧な準備を重ねて本番にのぞんでいるもの。そして実践を繰り返すことで、話し方もスピーチも確実に上達します。スピーチのネタ作りや緊張対策など、さらに細かく知りたい方は是非、過去のコラムもご参照下さい。

新たな年度の始まりが、皆さんにとって清々しい成功の場となりますように!

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